• デビュー10周年を記念したベストアルバム『超いきものばかり～てんねん記念メンバーズBESTセレクション～』は、もの凄いボリュームになりましたね。

  

  水野良樹（以下、水野）「そうですね。曲を入れすぎっていう（笑）。5年前に1度ベストアルバム（『いきものばかり～メンバーズBESTセレクション～』2010/11/3発売）を出しているので、今回はそれ以降の曲だけで構成しようかっていう話もあったんですよ。でも、改めて“いきものがかりの音楽に触れたことのない方々にも届くようなものにしたい”という思いがあったので、10年分の曲から選び、入れられるだけ入れようということになりました」

• 完成したアルバムを聴いての率直な感想は？

  吉岡聖恵（以下、吉岡）「いろんなテイストの曲を作ってきたなって改めて思いました。主人公もバラバラだし、アレンジも色鮮やかだし、テンションの高い曲と落ち着いてる曲との落差も笑っちゃうくらい激しいし（笑）。聴く人ごとに、その時々の感情に合わせて曲をチョイスしてもらうと、いろんな楽しみ方ができるんじゃないかなって思いますね」

  山下穂尊（以下、山下）「古いものになると高校時代に書いた曲もあるし、かと思えばつい最近までレコーディングしてた新曲まで入っている。それらをできた時期にとらわれずに散りばめて並べられたことは、グループとしてずっと軸がブレていないことの証明になっているような気もしていて。その確認ができたのが嬉しかったです」

• 収録曲を選ぶ大変さはなかったですか？

  山下「それぞれのDISCの1曲目は『SAKURA』（DISC1）、『ありがとう』（DISC2）、『風が吹いている』（DISC3）だろうみたいな、何となくキーになる曲のイメージは3人で共有してあったんですけど、それ以外の曲をバランスよく選ぶのは確かに苦労しましたね」

  水野「そうだね。ただ、結果的に前回のベストに入れたくても入れられなかった『夏空グラフィティ』や『プラネタリウム』を入れられたのは凄く嬉しかった。インディーズ時代のライヴでよくやっていた『真夏のエレジー』も、“いつリリースするんですか？”っていう声をファンの方からよくいただいていたので、新録で入れられたのも良かったかな。そういう部分も含め、10周年にふさわしい内容になったと思います」

• 『コイスルオトメ－激情編－』と『ノスタルジア－Original Lyrics ver.－』（初回生産限定盤に同梱されるBonus DISCに収録）も再レコーディングされていますね。

  水野「はい。『コイスルオトメ』は僕らにとって凄く大事な4曲だし、ライヴで育った感じがあったので、今回はツアーメンバーと一緒にライヴアレンジで改めて録り直しました。『ノスタルジア』はメジャーでリリースする時にワンフレーズだけ歌詞を変えたので、今回はインディーズ時代の元のバージョンで収録してみました」

• また、4編の新曲が収録されてるのも嬉しいポイントで。その中の1曲、JRA 2016年 CMソングの「いこう」は山下さんが作詞作曲を手掛けられています。

  山下「去年のJRAのCMソングは『マイステージ』という壮大なバラードだったんですよ。なので今回は真逆のテイストとして、疾走感のある明るい曲にしようと。競馬がそうであるように、僕らの人生も常に勝ったり負けたりの繰り返しだと思うので、そういう部分で共感してもらえたらいいなって思います」

• カラオケで歌うとかなり気持ち良さそうですよね。

  吉岡「ほっち（山下）が書く曲はリズムにしっかり乗ると凄く気持ちいいんですよ。ちょっと早口で大変なんだけど（笑）、ハマると凄く楽しいと思います。背中を押してくれる歌詞にもなっているので、歌っていると自然と笑顔になって元気が出てきますよ。テンションを上げたい時には、この曲を歌って日々の生活に勢いをつけてみてください！」

• いきものがかりの曲はカラオケで本当によく歌われています。そういう状況ってどう感じます？

  

  水野「世の中にはいろんなランキングがありますけど、カラオケのランキングに入るのが個人的には1番嬉しくて。僕らの音楽は“芸術だー”みたいな感じで鑑賞されるようなものではなく、皆さんに歌ってもらってなんぼだと思っているんですよ。だから、卒業式で『YELL』を、結婚式で『ありがとう』を歌っていただけていることも、凄く嬉しいんですよね」

  吉岡「私もこの前、JOYSOUNDのカラオケで『ありがとう』を歌いましたからね。95点でした（笑）！」

  水野「本人だからね、その点数が高いのか低いのかよくわかんないけど（笑）」

• ご自身の曲を歌うこともあるんですね。

  吉岡「そうですね。家族の新年会とかでリクエストされれば歌いますし、友達とかと行っても勝手に手が自分の曲の番号を押してたり（笑）」

• では、デビューから10年を振り返って、今何か思うことはありますか？

  水野「ファンの方も含め、たくさんの方に支えてもらいながらここまで歩んでこれたことは本当にありがたいなって思いますね。その中で、この3人の関係性が全く変わらなかったのも良かったと思います」

  山下「地道に一歩ずつ階段を上がってきた10年だと思うんですけど、そこで積み重ねてきたものの上に今、しっかり立つことができているなっていう実感は凄くあって。それが感慨深いですね」

  吉岡「デビュー曲の『SAKURA』を出した時に、リーダー（水野）が“10年後もまたCDを出しましょう”ってCDの盤面に書いてくれたんですよ。それが今回、ほんとに実現しちゃいましたからね。びっくりです」

  水野「うん。ずっと思い続けてきた当初の目標が今回叶うので、それは本当に嬉しいですね」

• その思いを踏まえて、今後に向けた新しい目標も生まれてきていますか？

  山下「8月と9月に僕らの地元である（神奈川県の）厚木と海老名で初めての大規模なライヴをやるので、当面の目標はそれを成功させることですね」

  吉岡「そうだね。地元への感謝を伝えながら、今まで以上にたくさんの方に興味を持ってもらえたらいいなって」

  水野「それを終えた時にきっとまた新しい目標が見えてくるんじゃないかな」

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