28万曲という業界最多の配信曲数を誇るJOYSOUND。1年間に歌唱された楽曲の回数に基づき集計した 「2018年JOYSOUNDカラオケ年間ランキング」で米津玄師の『Lemon』が見事1位を獲得! そこで今回、受賞の喜び、そして最新シングル『Flamingo / TEENAGE RIOT』について本人から話を聞いた!
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“ハチ”名義で投稿したオリジナル曲が大ヒットし注目されるなか、2012年に本名の“米津玄師”でアルバム『diorama』をリリース。その後もコンスタントに作品を送り出し、『アイネクライネ』『Flowerwall』『LOSER』『orion』ほか数々のヒット曲を生む。他アーティストとのコラボ、単行本発行など活動の場は広い。2018年、ドラマ『アンナチュラル』主題歌『Lemon』が大ヒット。年明けには、全国ツアー『米津玄師 2019 TOUR / 脊椎がオパールになる頃』がスタートする。
『Lemon』がここまで広く行きわたると思っていなかったので、まずそのこと自体に不可思議な気持ちがあるのですが、こんな暗い曲がカラオケで多く歌われていることはもっと解せません。ありがたいという気持ちももちろんあるのですが。
いい曲を作ろう、という意識は音楽を作る上で常に持っていて、『Lemon』でもそれが叶ったとは思いますが、それは『Lemon』に限った話ではないので、ひとえに『アンナチュラル』のお陰だと思います。時代の大きな空気がやんわりと容認してくれたのではないかと思っています。
初めてのドラマ主題歌であり、良くも悪くも自分をまた大きく違う場所へ連れて行ってくれた楽曲です。これからの音楽家としての人生において、この曲が北極星として輝き続けてくれるような気が今はしています。
リズムが跳ねた曲で、半音が多いので歌いにくいかと思います。しっかり一音一音意識して繋いでいくように歌うといいと思います。
『Flamingo / TEENAGE RIOT』は、『Lemon』の反響を踏まえた上で、そこから少しズレたところで遊ぼうと最初から設定して作り始めたので、そこまで大きなプレッシャーはありませんでした。『Lemon』で知ってくれた人が受け入れてくれるかどうかは、多少なりと心配にもなりましたが。
本当なら全ての曲をA面として出したいのですが、それによって誤解が生じたり、逆に聴いてくれる人に伝わらなかったりすることがあるので、曲の順番は慎重に考えます。音楽を作る上で、自由でいられるかどうかが自分にとって一番大事にしたいことかもしれません。
『Lemon』を作り終わった後、これまでとは少し違うものを作ろうと思い、最近続いていた「タイアップ」や「コラボレーション」などの時とは違う、対面に誰もいない状態で音楽を作ろうと決めたのを覚えています。その結果ああいう曲になりました。
自分の中のみっともなさをどうやったら言葉にできるだろうかと深く頭を悩ませた記憶があります。古めかしい言葉で韜晦することで、よりみっともなくへなちょこな感じが出るのではと思ってあの歌詞になりました。
ファンク、日本民謡、フォルクローレなど、いろんな引用を経由した結果気がついたらああいうごちゃごちゃした感じになりました。
この曲は『Lemon』のカップリングとして制作した曲だったんですが、シングルの表題向けの曲であったことにより、今回の両A面に収まりました。中学生や高校生の頃の悶々ヒリヒリとした沸切らなさを、大人になった自分の感覚を通して表現しました。それに伴い、サビのメロディは実際に中学生の時に作った曲のものを引用しました。
日向秀和さんにこの曲のベースを弾いてもらったのですが、彼は僕が中高生だった頃から好きな様々なバンドで活動していて、この曲にぴったりだという確信がありお願いしました。実際に自分の曲に参加してもらえたことがとても嬉しかったです。
『Flamingo』は島唄っぽい歌い方に影響を受けて、自分なりに咀嚼して取り入れてみました。『TEENAGE RIOT』はサビとそれ以外でテンションが変わるので、そこを意識するようにしています。
『Flamingo』は皮肉っぽくみっともなくかつ馬鹿になって歌うといいです。『TEENAGE RIOT』は言葉数が多いんでブレスのタイミングに気をつけた方がいいです。かつエモーショナルに。
2019年がいい年になるように、祈りのようなツアーになりそうな気がしています。
2018年は人生の伏線を回収する年になりました。会いたかった人と会えたり、やりたかったことが実現したり、少しずつ積み上げて来たことが報われる瞬間がたくさんありました。2019年はまた新たに一つずつ積み上げていく第一歩目の年になりそうです。
ドラマ『アンナチュラル』主題歌として書き下ろした楽曲。ドラマの世界観ともマッチし、美しく切ない歌詞とメロディが多くのリスナーの心を虜にした。配信200万DL、MV2億再生を突破という驚異的な記録で、2018年間チャートを席巻。
ソニー・ミュージックレコーズ
[2018/3/14発売]