声優としては20周年の節目を迎え、歌手としては日本武道館7Daysライブを開催するなど精力的に活動する水樹奈々が、6年2カ月振りに第3弾ベストアルバム『THE MUSEUM Ⅲ』をリリース!シングル11曲に加え、新曲、コラボ曲を含め全17曲を収録した同作について熱く語ってくれた!
Profile
1997年に声優、2000年に歌手としてデビュー。2009年に声優として初めて『紅白歌合戦』に出演するなど国民的歌手に。2018年1月11日から日本武道館で7Daysライブを開催。「長年の夢が実現できて嬉しいです。いつまでもミニスカートで高音を張り上げながら歌える存在でいたいですね」と笑う。
枚数を重ねるごとに重みを感じています。今作は直近5年の軌跡でもあるので、改めて曲を聴き返すと制作した当時が手に取るように分かります。歌声や歌詞、音など全てで“その時の私”が伝わってくる写真のアルバムのようですね。1枚目や2枚目のベストアルバムよりも、今回は1枚の中での歌声の変化が最も大きいと感じます。
きっと歌への向き合い方がよりストイックになったからかなと。この5年ほどの間に、西川貴教さんとのコラボなどもありテレビで歌う機会がぐっと増えました。歌番組で森山良子さんやさだまさしさんなど、大ベテランの方々ともデュエットさせていただき、歌への向き合い方やパフォーマンスを間近で見られたことも財産になりました。その頃からこれまでライブ仕様でやってきたトレーニングを日常的に組み込むようになったんです。
『Vitalization』くらいから少しずつ変わり始め、トレーニングを本格化した『エデン』以降、『Angel Blossom』でまたガラリと変わったと感じます。身体が変化したことで、表現できることも増え、色々チャレンジしたいと遊び心が生まれ、ますます歌うことが楽しくなりました。
はい。『バジリスク』の新作アニメの製作が決まり、「前作同様に静と動で2曲作ってほしい」とお話をいただきました。それで1年ほど前から制作に着手していましたが、『HOT BLOOD』は、かなり早い段階で届いたデモテープの中にあった曲なんです。初めて聴いた時から、とても強く印象に残っていて。半年間に何度もデモ会議を開いたのですが、たくさんのデモを聴けば聴くほどこの曲の持つ躍動感や攻め感が、アニメの世界観にピッタリだと確信しました。
インパクトのある曲に負けない言葉を乗せなければいけないうえに、和メロで和楽器を多用しているため現代的な表現がはまりにくくて。なので、作詞中は本や辞書片手に頑張りました(笑)。一方、歌入れでは、一度気持ちをリセットして、あえて軽快に歌うことを意識しました。激流に飲み込まれるようなスピードと変化のある旋律なので、気持ちを殺し、颯爽と任務を遂行する忍びになって歌うような感覚でしたね。喉とお腹のコントロールだけでは難しい表現もあり、体づくりをしてきたことが生かされているなと感じます。
一見ゆったりとして歌いやすそうなんですが、かなり手強い曲です。ロックなアレンジに乗せ、1つ1つの言葉をまるで杭を打ち込むかのように歌いました。心がえぐられるような思いを表現したいと思うと、おのずとそういう表現になったんです。爆発しそうな思いを堪えながら歌っていったので冬場の半袖でも汗だくでした(笑)。
『HOT BLOOD』はAメロで高鳴る鼓動を抑えながら畳み掛けるように歌い、艶っぽいBメロで女性性を解き放ち、サビで一気にスパーク!!段階に変化をつけて歌うと素敵だと思います。そして『粋恋』は、歌い始めると、間奏にもフェイクが入っているため、休む間がほとんどありません。とにかく体力勝負!空腹は避けましょう(笑)。あとブレスポイントがシビアなので、さほど高くない音域でも声が不安定になりやすいと思います。効率よく息を吸うことがポイント!ぜひ情熱的に歌ってみてください。