猫
この曲の歌詞
例えば水曜日
いつもの帰り道で
日が落ちても まだ虚しく
薄明るい空の下
車道の隅に つぶされて
よせられた 猫に目が止まり
頭かすめては すぐ消えた
ほんの一瞬の 幼い記憶
次の日も その次の日も
それは同じ場所で
土に戻る事すらできずに
みるみる腐り続けた
そのあまりにも小さく
惨たらしくて
汚い姿に目をつぶり
そのうち誰か
かたづけやしないかって
素通りするのさ
歩き慣れた
いくつかの道でさえ
何も出来やしない
目をつぶり
日ごとに腐っていくのは
そう あれは猫じゃない
窓から漏れ出す灯り
話し声 笑い声
家族に囲まれた少女が
ろうそくの火に 息をかける
そのあまりにも小さく 儚くて
無邪気な姿に 目をつぶり
そのうち誰もが あんな風に
笑えなくなるって
素通りするのさ
歩き慣れた
いくつもの道だから
「何も見えなくても
歩ける」と
日ごとに 見失っていくもの
もう二度と戻らない
帰り道では決まって
雨ざらしの ポスターの中から
顔色の悪い男達が
揃って笑いかけてくる
通り行く人々から
走り去る車の中から
ビルの窓から
信号待ちのランナーから
自転車のベビーシートから
放課後の
はしゃいだ学生達から
家路に向かう
背広服から
背中に向けられる視線
感じては
背中に向けられる視線
感じては
立ち止まって 痛み感じても
何食わぬ顔さ
歩き慣れた
いくつもの道だから
「何も見えなくても
歩ける」と
日ごとに 見失っていくもの
もう二度と戻らない
歩き慣れた
いくつかの道でさえ
何も出来やしない
目をつぶり
日ごとに腐っていくのは
そう あれは猫じゃない
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