ライヴチケットも入手困難なほど大人気になっているback number。ニューシングル「ハッピーエンド」も大ヒットするなか、年末にはベストアルバム『アンコール』もリリースされる。彼らにとっても初となるベストアルバムについてその想いを聞いた!
Profile
清水依与吏(Vo.&Gu.)、小島和也(Ba.&Cho.)、栗原寿(Dr.)による3ピースバンド。地元・群馬県で2004年に結成、2007年に現編成になる。インディーズで2枚のアルバムを発表した後、2011年4月にシングル「はなびら」でメジャーデビュー。骨太なロックサウンドと、繊細な感情の機微を描きつくす歌詞の世界観が高く評価され、これまでに数多くのヒット曲を世に送り出している。来年2月からは全30公演となる全国アリーナツアーが開催される。
清水依与吏(以下、清水) 「はい。ベストっていうのは僕らの入門編として凄く機能的だと思うので、これをきっかけに新しい出会いに期待したいですよね。もちろんこれまで応援してくれていた人たちにとっては、back numberを知らない人たちに“これ凄くいいバンドだから聴いてみてよ!”って胸張って言える作品になったと思いますし」
小島和也(以下、小島) 「ただ、どの曲を入れて、どの曲を削るかっていう作業が凄く大変で。back numberがどういうバンドととらえられるかが選曲によって決まってくるなっていう思いもあったので、かなり慎重に選びました」
栗原寿(以下、栗原) 「かなり頭を悩ませて議論し合いましたからね。結果的に、僕たちはこんなバンドなんですっていうことが最高の形で提示できるような内容になったと思います。それはメジャーデビューシングルの『はなびら』を出した時のような気持ちでもありましたね」
栗原 「目の前のことをとにかく必死になってやってきたので、あっという間だったなっていう印象です。気付いたらここにいた、みたいな。ただ、back numberという存在が僕たちだけのものじゃなく、どんどん大きなものになっているなっていうことはここにきて凄く感じますね」
清水 「それはあまりないかな。当然、昔の曲を聴くと今にはない感性を感じることもあるし、今はその当時じゃ絶対にできないことをやっているなとは思うけど、基本は変わってないというか」
小島 「そうですね。原曲を依与吏が持ってきて、それを3人で作り上げていくという軸はずっと同じなので」
清水 「曲としての純度が薄れるのがイヤなので、他人事みたいなものは書きたくないっていう思いはずっと変わらないです。ファンタジーとして書き始めた曲であったとしても結局、曲としての着地点やそこへたどり着くための道筋の判断基準は自分自身の感覚によるところが大きいんですよ。だからこそいかに自分の感覚に自信を持てるかっていうことは最近、特に考えるようにはなってますね」
栗原 「依与吏の感覚をリアルに作品へ投影しているからこそ、聴き手は自分自身の過去を楽曲に投影しやすかったり、いろんな景色がバッと浮かんでくるんだと思うんですよ。そういった部分での純度は活動を続ける中で、どんどん増している感じもありますね」
小島 「自分の思いをどう、ろ過して曲に落とし込むかっていうところもどんどん変化してるところはあるしね。例えば『stay with me』という曲のように女性目線で書かれた歌詞の場合、もちろんその主人公はもう依与吏ではないわけですよ。でもそこに込められた想いっていうのは彼自身の心をろ過して出てきたものでしかないんですよね」
清水 「最初の頃は特に何も考えず、感覚的にそういう書き方をしてるところがあったんです。ただ、最近は男のままで言うとちょっと照れくさいことを女の人の人格を借りて言ってるんだなっていうことに気づいたというか。なので今は、素直になるためのツールの1つみたいな感覚で使っていたりはしますね」
清水 「嬉しいっすね。特に『高嶺の花子さん』はある意味、back numberの代表的ともいえる主人公が出てくる曲なんで、彼の感覚に共鳴してくれて、それを歌ってくれる人がたくさんいることはほんとに嬉しいです。ただね、僕らの曲は基本的にメロディが難しいから歌いづらいんですよ。僕ですらカラオケの十八番は槇原(敬之)さんの曲ですから(笑)。それなのに、特に難しい『わたがし』がランキングの上位に入ってるとかもう非常事態。皆よく歌えるなぁ」
小島 「僕は自分たちの曲をカラオケで歌った時に事務所の社長に、“本物だけど偽物だな”って言われたことがありますからね(笑)。それくらい難しい」
清水 「メロディを歌おうとするとすげぇ難しいんですけど、言葉を歌おうとすると意外と気持ちよく流れていくところはあると思います。ちょっと音程がズレたとしても気にならなくなるというか。僕はメロディに合っていない言葉は排除しているので、言葉を読むような感じで歌ってもらうと自然とメロディになっていくと思います。僕自身、ライヴの時にはそういう気持ちで歌っているところもあるので」
清水 「もちろん映画のエキスを盛り込んではいますけど、個人的には失恋を歌うバラードという今一番やりたいことをやらせてもらった感じで。なるべく鋭い言葉で場面を切り取りたいと思ったので、言葉の精度はいつも以上に上げる努力はしましたね」
小島 「レコーディングの最中にも、細かいフレーズに関して悩みながらいろいろ試したりしていく中で完成した曲です。できた瞬間は、“あぁいい曲になったな”って思えました」
栗原 「アレンジのデモを聴いた時点でこみ上げるものがあったので、これは絶対いい曲になるだろうなって思いましたね。ビートはシンプルですけど、力強く、いかにドシッと支えられるかっていうところをかなり意識しました」
清水 「『僕の名前を』のように、この曲も歌っているとだんだん後半に向けて感情がこみあげてくるので、歌が演奏をつい追い越してしまいそうになるんですよね。だからなるべく想いをカラダの中にとどめるみたいな意識で歌うと、その場でバーンと発光できるんじゃないかな。口先だけで歌おうとしたり、変なクセをつけるのは合わないと思うので、できるだけまっすぐ歌うのがいいと思いますね」
小島 「会場の大きさのことはあまり考えず、とにかく楽しみながら全国を周れたらいいなって思ってます」
栗原 「福井はバンドとして初めて行く場所でもあるので、そこでの新たな出会いにも期待したいですね」
清水 「今回はベスト盤を出した後のツアーなので、シングル曲をたっぷりやることになるとは思いますね。シングルはキーの高低差が大きい曲が多いので、すげぇ苦労しそうですけど(笑)、頑張ります」
これまでリリースされた全シングル曲に、インディーズ時代の楽曲や人気のアルバム曲などを加えた、back numberにとってキャリア初となる2枚組ベストアルバム。CDのみの通常盤のほか、今年6月に幕張で開催されたライヴ映像収録のDVDやミュージックビデオ集が同梱される初回限定仕様盤も複数用意されている。
ユニバーサルシグマ
[12/28発売]楽曲タイトル | 歌詞 | マイうた |
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ハッピーエンド | 歌詞 | マイうた |
はなびら | 歌詞 | マイうた |
stay with me | 歌詞 | マイうた |
高嶺の花子さん | 歌詞 | マイうた |
クリスマスソング | 歌詞 | マイうた |
ヒロイン | 歌詞 | マイうた |
わたがし | 歌詞 | マイうた |
僕の名前を | 歌詞 | マイうた |