はなわが奥さんの誕生日にサプライズプレゼントとして贈った曲『お義父さん』――。YouTubeで公開されるや20日間で再生回数100万回を突破するなど大注目の曲がついにCDリリース!実話がベースというこの楽曲、誕生秘話をはじめ、この曲への熱い想いを語ってくれた。
Profile
松井秀樹のものまねやネタをやるピン芸人として活躍する一方で、2003年に『佐賀県』でCDデビューしオリコン5位を記録、同年『紅白歌合戦』に出場。男装グループ・風男塾のプロデュースを手がけるなど幅広く活躍。現在は3兄弟の父親で、家族思いの父親としてテレビで紹介され広く知られている。実弟はお笑いコンビ・ナイツの塙宣之。
去年、結婚15周年だったんですが、僕らは結婚式を挙げたり、指輪を贈ったこともなかったんで、嫁の誕生日に歌をプレゼントしたいという構想がずっとありました。とはいえ、10周年にも感謝の気持ちを歌にして贈っていたので、普通のラブソングや感謝の歌じゃ嫌だなというプライドもあって、なかなか形にできなくて……。そうは言っても、嫁の誕生日はどんどん近づくし、だんだん焦り始めてたんです。
実は嫁の家庭環境は少し複雑で、父親は彼女が幼い時に家を出て行ったんです。嫁に対する僕の想いはもちろん、父親がいなかったのに頑張って生きてきたことを歌にしたいという気持ちもあったので、「この機会にそれを歌にしてみたらどうだろう」って考えるようになりました。それに、「義理の父への歌なんて滅多にないから面白いな」と思ったし、ストレートな気持ちを嫁に歌うのも照れくさかったですからね(笑)。
嫁へのプレゼントなので、本人が聴いて喜んだり驚く歌詞がいいなと思いました。だから1番は♪冷やし中華なのに フーフーして食べます♪とか、嫁の天然ボケについて歌って笑いを取ったり。かと思えば、2番はガラッと変わって、父親がいなかったことで苦しかった昔について綴ってみたりと、メリハリをつけた内容にしてサプライズを仕掛けました。ただ、伝えたいことがたくさんあるから、どうしても言葉数が多くなっちゃって。聴いてくれる相手にもわかりやすいものにしたかったので、無駄な表現は極力そぎ落としました。それでも、だいぶ文字は多いですけどね(笑)。
はい。歌う前に「智子(奥様の名前)のお父さんに向けて作りました」って説明したんですが、信じられないくらいもの凄く嫌がられて(苦笑)。「一生懸命に作ったのに……」って心が折れかけたけど、気を取り直して歌い始めたんですよ。そうしたら、普段、家でギターをガンガン弾きながら歌うこともないから、いちばん下の三男はテンションが上がって暴れ出したりして(笑)。まあそういう格好つかない感じも含め、ウチッぽいかなって内心思いつつ歌っていたら、2番の途中から嫁が急に号泣し始めたんです。それを見て自分ももらい泣きです。両親が号泣するのを見て、暴れていたはずの三男坊も泣き出すしで、それを傍観していた他の息子2人はぽかんって感じでした(笑)。
小さい頃から父親がいなかったことは聞いていたけど、それによって嫁が若い頃に貧乏で苦労したということを子供たちは知らなかったので、歌で初めて知って驚いてましたね。我が家は嫁以外、全員が男だから、よく「女性を敬わなきゃダメだ」「ママを大切にするんだぞ」って男同士で話し合ってきたんですが、息子たちもこの歌を聴いて余計にそう感じたんじゃないかなぁと。
僕としては去年の嫁の誕生日で完結した気持ちでしたが、マネージャーもこの曲を気に入っていて、「単独ライブのアンコールでぜひ歌ってくださいよ」って言い出したんです。僕のライブはお笑いと音楽が融合したものなので、「まあいいかな」と軽い気持ちでOKしました。それで歌ってみたら、会場のあちこちからすすり泣く声が聞こえてきて……。芸人仲間の陣内智則さんも来てくれていたんですが、「お前、あれはずるいで。お客さん、みんな泣いてたで」って言ってくれました。そんなに反響があるなら、もっとたくさんの人にもこの歌は届けられるかもしれない。そう思って、今年の嫁の誕生日に動画をアップすることにしたんです。まさか20日間で100万回も再生されるとは思っていませんでした。そんな流れでビクターさんからCDにしませんかって声までかけていただきまして。作った時は、CDになるなんて全く考えてなかったから驚いたし、「この曲には何か不思議な力があるのかもしれないな」って思いましたね。
10年来の知人でもある、寺岡呼人さんにプロデューサーとして入っていただき、アレンジを考えていただきました。歌に関しては呼人さんのスタジオで仮歌を入れたんですが、何度歌っても感極まってしまい、どうしても途中で泣いちゃって声が震えてしまいました。最後まで歌い切れるかなって心配にもなりましたが、ちゃんと歌えるまで呼人さんは辛抱強く待っていてくれました。
CD化が決まった瞬間から、「佐賀で撮りたい」って夢を描いてたんですが、それが実現しました! デビュー当時は『佐賀県』という曲で地元をディスって注目していただきましたが、今は『佐賀市プロモーション大使』をやらせてもらってますし、嫁や子供たちは実際に佐賀で生活しているので、故郷に少しでも恩返しがしたくて。歌詞に“佐賀”という言葉は出てきませんが、描かれているのは紛れもなく佐賀での出来事です。嫁と初めて出会った中学校や、放課後によくいた公園で撮影もできました。思い描いていた通りになりました。
言葉数が多いので、息を思いっきり吸い込まないと途中で息切れしちゃいます。あと、手紙みたいな歌なので上手に歌おうとするより、誰かに気持ちを伝えたいと思って歌ってみてください。みんなでカラオケに行く時は終盤がオススメ。序盤でいきなり歌うと、「実はうちも」みたいに身の上相談会が始まっちゃうから(笑)。これは我が家の出来事ですが、それぞれの家に置き換えて替え歌にしてもらってもいいですよね。義理の父への曲って少ないと思うし、新郎から感謝を伝える歌詞に変えて結婚式とかで歌ったら感動的なんじゃないかと思います。
結婚15周年を記念して、妻の誕生日に贈ったハートウォーミングなナンバー。義父への想いを独り語りする歌詞には、夫婦の歴史や家族の大切さが描かれている。今年3月4日にYouTubeにアップされるや20日間で再生回数100万回を突破。SNSを介して共感や感動が広がりCD化が決まった。
ビクターエンタテインメント
[5/24発売]楽曲タイトル | 歌詞 | マイうた |
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お義父さん | 歌詞 | マイうた |
故郷~2017バージョン~ | 歌詞 | マイうた |
下を向いて帰ろう | 歌詞 | マイうた |