今年3月10日にレコードデビュー45周年を迎えた高橋真梨子が、約4年振りとなるアルバム『Katharsis』をリリース!
自身が歩んできた45年間、「人生の悲劇や喜劇を浄化(カタルシス)」したどり着いた
いわば彼女のキャリアの集大成と話す今作について、その想いを語ってくれた。
※高橋の「高」は、「はしごだか」です。
Profile
ペドロ&カプリシャスの2代目ボーカリストとなり、1973年『ジョニィへの伝言』でレコードデビュー。1978年にソロデビュー。1984年にリリースしたシングル『桃色吐息』が大ヒットし、人気を不動のものにする。また、1993年、2008年、2016年と日本人初の3度の米・カーネギーホール大ホール公演を大成功に収めた。今作と同じ6月13日に最新ライブ作品『LIVE PRELUDE』も発売。6月17日より全国ツアーがスタートした。
早いなぁと思って。これからもまた早くなっていくんだろうかと思うとぞっとしますね(笑)。でもその都度その都度一生懸命やってきているので、自分自身の中では頑張ってきたなっていう感じはあります。
3年ぐらい前のステージで、夫婦2人でダンスをしたことかな。サルサを習いまして、間奏いっぱい2人で踊った、あのステージが好きですね。普段踊らない私ですから、お客様も楽しかったんじゃないかなと思います。
レコーディングでは私が大風邪を引いてしまって、最後の方はバタバタと急いで作った場面もあったんですよ。「おはようございます」ってスタジオに入ると、バンドメンバーから「うわ〜風邪引いてる! 声が違う」って言われたぐらい(笑)。レコーディングがなかなか進まなかったっていうのが、私にはちょっと厳しかったですね。
そうですね。新しいメロディが入っていたりして、4年前に出したオリジナル・アルバム(『Adultica~バラードを、いつも隣に~』/2014年6月4日発売)とはまたちょっと違う作品になったかもしれません。あまりにもバラエティに富んでいて、いろんな雰囲気が味わえるアルバムになっているのかなと思います。
私、足先が万年冷たいんですよ。そこからこの詞は始まっているんです(笑)。冷たい足先の物悲しさ。それと、『メッセージ・イン・ア・ボトル』という映画のタイトルに美しい波しぶきが映し出されるんですけど、その時の波しぶきがキラキラとしていて凄く綺麗で、とても素敵だなぁと思ったんです。その両方から得たイメージを、昔読んでいた詩集なんかを参考にしながら、詞にしていきました。男の人は去っていった。去っていったけれどもその理由はわからない。もしかしたら、その男の人は亡くなったのかもしれない。非常に悲しい詞になっているんですけど、すべては私の足の先が冷たいことから始まっているという(笑)。そんなふうに現実が歌になったっていう感じですね。
最初はもう少し足してもいいかなと思ったんですけど、あまり曲のイメージを変えない方がいいということで、「ピアノ1本でいこう」とプロデューサーと決めました。ピアノだけっていうのは意外と難しいので、こっちはちょっとドキッとしたんですけどね。
私は絶対に自分の好きなように歌っていいと思うんです。その人の個性で歌うということは、凄く大事なことだと思うし。1つだけ私が言えることは、心の中に感情をもの凄く持つんですよ。でも、それをサラッと歌う。そうすることが一番、他の人が聴く時に歌が入ってきやすい。感情をいっぱい込めて歌うと、落とし穴があるんですよ。だからたくさんの感情や愛を心の中でギュッと考えながら、サラリと歌う。それが私の一番のアドバイスかなと思います。
それはよくわからないですけど(笑)。そういうふうなことをみなさんにも経験してほしいなと思うんですよね。好きなように歌っていいんです。でも、心の中にそういう気持ちを持って歌うと、また合う歌が出てくるんじゃないかなと私は思います。
私は昔からあまり元気ソングを歌わないんです。だけど、この曲は少し頑張れソングになってるんですよね。なぜかというと、ニュースっていろんな悲しみや嬉しさ、すべての感情があるでしょ。例えば「悲しみの中にもロマンスがあるんだよ、君が悲しくても苦しくても生きていればきっと誰かを助けられる。そういうために生まれてきたんだから」っていうメッセージをこの歌に込めました。少ししかないメロディの中で、みなさんがちょっとホッとする歌にしたいなと思いました。
お客様に会うと元気になるので、その元気な私を見てもらいたいというのが、コンサートの中の私の願いです。いつも調子がいいわけじゃないじゃないですか。風邪も引くしね。でも、ステージに立ったらまったくそれを感じない。お客様が支えてくれる。オーラを出してくれる。元気をくれる。それで私も元気をあげる。コンサートにおいて、お客様と私の間は切り離せない。いつも一緒っていう感じが私の中にはあります。
そうですね。お客様は私の歌を聴きたい。私はお客様に気持ちよく歌を聴いていただくためにどうしたらいいかっていうことを考える。お客様は凄く私にオーラをくださるんですよ。ステージを見たいと思ってくださるその笑顔が、私の中に凄く入ってくるんですよね。例え体調が悪かったとしても、それを見ることで治っちゃうみたいな、そういう存在ですね。
これからもどんどんと時間は経っていき、年齢も重ねていかなきゃならないので、とにかく明日のことだけを考えて、その先のことはなるようになると思うようにしています。とにかく今現在をしっかりと、明日をしっかりと、という感じで生きていこうと思います。